2019年7月10日水曜日

お客様が死んだ後も『予約』を入れてもらえる美容師

僕がご遺体のヘアメイクをさせていただいた時の
話をさせてください。


お世話になていた奥様の最後のヘアメイクをさせていただき、
別室で待っていた旦那様に終えたことを伝え奥様と対面した時、

『どうするの?こんなに綺麗になっちゃって....
もっと好きになっちゃった』

旦那様が泣きながら奥様にそう言ったていた。
愛に満ちていた。

その後、僕の手を握り
『ほんとうに ありがとう』
生まれて初めて 人に手を合わせ拝まれ お礼を言ってもらえた。
 

幼馴染の 最後のヘアをさせてもらい、
髪を整えた後、頬に紅をさした。
顔に血色が戻ったように変わっていく。
おじさんと おばさんが その変化を見てくれ、
『戻ってきたな!? いつまで寝てるんだ? 起きろ!!』
泣きながら親より先に逝った我が娘にそう言っていた。

その後、おじさんは僕の手を握り
『本当にありがとな! まさかケンにこんな事をしてもらうなんて...
ありがとな』
そう言ってくれた。


闘病生活を頑張っていた幼馴染のお父さん
僕の親と変わらない年齢
ベットに横になり闘病を頑張って過ごしていた おじさんの顔の皮膚は
重力に逆らうこと無く過ごしていた為か 顔にシワがなく、張り詰めた表情をしていた。
その表情を見て、本当に頑張っていたんだと感じ取れた。

髪を整えさせてもらった後、
顔の筋肉をほぐすマッサージをした。

そうすると、
張り詰めていた顔の筋肉がほぐれ、年相応のシワが戻ってくる。
張り詰めた目尻は垂れ下がり、口元も緩んでくる。

『 お父さんが笑ってるよ !
あんなに「ツライ」って苦しんでいたお父さんが笑ってるよ !! 』
おばさんが泣きながらそう言い 喜んでくれた。


僕は、
亡くなられた人への「ヘアメイク」は、
亡くなられた人の最後の身支度のお手伝いであると同時に、
この世に残ったご遺族様への、心のギフトだと思っています。

初めはドキドキしたよ。ご遺体に触れる事。

だけどね、
僕の心と想いがそのように変わった時、
「生きてる」とか「死んでる」とか
全く関係なくなった。

お役目

その人の人生に寄り添える。
向き合い方が変わる。

人生の終焉の時に、
僕に携わる事をさせてくれて本当にありがとう。

感謝しかありません。
光栄に思っています。

悲しみに『華』を添えたい。
僕ができる『華』を。
人生や命に『華』を添えたい。

世の中には沢山の美容師がいます。
そして 
いろんな考えの美容師がいます。

これから美容師を目指す後輩がこのブログを読んでくれたなら.....

『 美容師、とても良いお仕事だよ ^^ 』

私たちの手にはそんな『ちから』があります。

美しくなる事で心豊かになれる


【心にアクセスできる美容師】


お客様が
『私が死んだ時も頼むよー』
冗談でもそう言ってくれることに心から嬉しく思っています。

お客様が死んだ後も『予約』を入れてもらえる美容師


僕はそう在りたい
ありがとうございます。


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