僕がご遺体のヘアメイクをさせていただいた時の
話をさせてください。
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お世話になていた奥様の最後のヘアメイクをさせていただき、
別室で待っていた旦那様に終えたことを伝え奥様と対面した時、
『どうするの?こんなに綺麗になっちゃって....
もっと好きになっちゃった』
旦那様が泣きながら奥様にそう言ったていた。
愛に満ちていた。
その後、僕の手を握り
『ほんとうに ありがとう』
生まれて初めて 人に手を合わせ拝まれ お礼を言ってもらえた。
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幼馴染の 最後のヘアをさせてもらい、
髪を整えた後、頬に紅をさした。
顔に血色が戻ったように変わっていく。
おじさんと おばさんが その変化を見てくれ、
『戻ってきたな!? いつまで寝てるんだ? 起きろ!!』
泣きながら親より先に逝った我が娘にそう言っていた。
その後、おじさんは僕の手を握り
『本当にありがとな! まさかケンにこんな事をしてもらうなんて...
ありがとな』
そう言ってくれた。
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闘病生活を頑張っていた幼馴染のお父さん
僕の親と変わらない年齢
ベットに横になり闘病を頑張って過ごしていた おじさんの顔の皮膚は
重力に逆らうこと無く過ごしていた為か 顔にシワがなく、張り詰めた表情をしていた。
その表情を見て、本当に頑張っていたんだと感じ取れた。
髪を整えさせてもらった後、
顔の筋肉をほぐすマッサージをした。
そうすると、
張り詰めていた顔の筋肉がほぐれ、年相応のシワが戻ってくる。
張り詰めた目尻は垂れ下がり、口元も緩んでくる。
『 お父さんが笑ってるよ !
あんなに「ツライ」って苦しんでいたお父さんが笑ってるよ !! 』
おばさんが泣きながらそう言い 喜んでくれた。
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僕は、
亡くなられた人への「ヘアメイク」は、
亡くなられた人の最後の身支度のお手伝いであると同時に、
この世に残ったご遺族様への、心のギフトだと思っています。
初めはドキドキしたよ。ご遺体に触れる事。
だけどね、
僕の心と想いがそのように変わった時、
「生きてる」とか「死んでる」とか
全く関係なくなった。
お役目
その人の人生に寄り添える。
向き合い方が変わる。
人生の終焉の時に、
僕に携わる事をさせてくれて本当にありがとう。
感謝しかありません。
光栄に思っています。
悲しみに『華』を添えたい。
僕ができる『華』を。
人生や命に『華』を添えたい。
世の中には沢山の美容師がいます。
そして
いろんな考えの美容師がいます。
これから美容師を目指す後輩がこのブログを読んでくれたなら.....
『 美容師、とても良いお仕事だよ ^^ 』
私たちの手にはそんな『ちから』があります。
美しくなる事で心豊かになれる
【心にアクセスできる美容師】
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お客様が
『私が死んだ時も頼むよー』
冗談でもそう言ってくれることに心から嬉しく思っています。
お客様が死んだ後も『予約』を入れてもらえる美容師
僕はそう在りたい
ありがとうございます。
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